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今夜の番組チェック
その他の話 2
ピッピッピッ……
ノートパソコンのバッテリー切れを知らせるアラームが鳴った。
「え?」
ACアダプターを使っているつもりだった私は慌ててコンセントを見やる。前に間違ってラジカセのプラグを差してしまって同じように慌てた事があったので、また同じ事をやったのだろうと思ったのだ。
が、ちゃんとパソコンのプラグがコンセントにささっている。コードをたどっていくと本体側の差込が抜けていた。
あらら。知らないうちにひっかけちゃったのかなァ、とプラグを差そうと……
「うん?」
いつもならカチッと音がして収まるはずのプラグがはまらない。おかしいな? とプラグを見る。
「ええ――っ!」
プラグの先から電線がちょこっと飛び出している。こっ、これはもしかして……
そう、ACアダプターの本体側プラグの先端のプラスチックがポッキリと折れて中を通っていた銀色の電線がむき出しになっていた。
「うそー?」
その間もバッテリー切れを知らせる音が容赦なく鳴り響いている。やばい! とにかくデータを保存してプログラムを終了し、電源を切った。
ひっかけた覚えはないけれど、いくらなんでも何もしないで折れるという事はないだろうから私か猫のどっちかがコードを引っ張っちゃったんだろう。
で、改めて折れたプラグの先端を見つめる。メビウスノートのそれはひどく細くて、先端は更に細くなっている。こんなちっちゃいからすぐにポッキリいっちゃうんだ、バカヤロー! ひっかかったら抜けろってーの。
旦那のeノートのはもっと太いぞ、フン!
前もキーボードに掃除機かけたらキーが外れて、はめようとしたら裏の突起が折れてはめられなくなったし。なんてヤワなんだホント。
保証期間内とはいえこういう風に物理的に壊れたのを無料修理してくれるとも思えない。しょうがない。電気屋にアダプターの取り寄せを頼もう。一日でも早くパソコンを使いたいし。
溜め息混じりに決心する。
しかし、悪い事に折れた先端がまだ本体にはまりこんだままだった。ピンセットでつまんで取り出せるかとやってみたけど、ダメ。これじゃ、新しいアダプターを手に入れても使えない。こんな事の為に修理に出すのは嫌だし。
という事で、めげずに色々やってみる。
結局、悪戦苦闘の末、千枚通しでプラスチックを突き刺して取り出したのだった。
10日も待たされて品物を引き取りに行って驚いた。3千円くらいは覚悟していたけど、税込み5439円。まーったく。こんなもん各社共通仕様にして一個千円くらいで店頭に並べといて欲しいわ。
Kちゃんが小学校低学年の時の話。
縁日の屋台で空クジなしのクジを引いたKちゃん。クジを開いて、結構繁盛して忙しそうな屋台のおじさんに番号を見せると、
「はい、ありがとう」と云っておもちゃをひとつ手渡された。
が、おもちゃを手渡した瞬間、彼女の顔をまともに見たおじさんはひったくるように一度渡した物を引っ込めた。そして
「ああ、ちゃうちゃう」と云って別のおもちゃを手に取り、改めてKちゃんに渡しながらこう続けたのだ。
「おっちゃんはなァ、ちゃんと相手見て賞品選んどんやで。適当に渡しとんちゃうねん。女の子には女の子向けの賞品、男の子には男の子のんを渡しとんねん。
まあ、たまにはさっきみたいに間違いかける事もあるけどな。けど、ちゃんと気ィついて交換したからな」
満足そうにうなずいて次のお客さんの相手をし始めたおじさんを見るKちゃんは半泣きだった……かもしれない。そう、彼女の手の中にあったのはまぎれもなく男の子向けのおもちゃだった。最初手渡されたのは女の子向けだったのに。
Kちゃんは子供の頃ショートカットで日焼けした肌の持ち主だった。おまけにスカートよりもショートパンツをはいている方が多かったので、よく男の子に間違われたものだ。
とはいえこのエピソードは彼女の母親によって云いふらされ、知り合いの多くが知る事となってしまった。
3人の娘の母親となった今でも、何かのはずみで話題にされる事に彼女が傷ついていなければいいのだけれど。
「あれ?!」
足の裏に何か刺さっているのを見つけた風日は針でそれをとろうとした。
当時とっても古いアパートに住んでいたので、ときどき敷居がささくれていたりして木のトゲが刺さったりしたのだけど、とげ抜きで抜こうとすると半分腐ったトゲがブチブチちぎれていくだけで、最後にはどうにもつまみようがない先端部分だけが皮膚の中に残り、結局針でつつきだしたり、カミソリのやっかいになったりする事が多かったので、最初っから針を持ち出した。
が、そのトゲはどういう訳か針を受け付けてくれない。
なんかこう妙に弾力があるっていうか、針を刺そうとするとつるっと滑って逃げるっていうか……。それまで何度もトゲを抜いた事がある風日だけれど、そんな事ははじめて。
おっかしいなァ? と試しにとげ抜きを使ってみたら、抜けた。あっけないくらいあっさり。
なんか、すごく納得いかない。
で、抜いたトゲをよく見てみると……。黒くて硬くて、でも弾力があって……
これってまさか?!
なんと、そのトゲの正体はとっても短い風日の髪の毛だった。前日に髪を切ったので、2〜3mmくらいのが床に落ちていたみたい。
風日の髪はとっても硬くて、針山にしても布を突き破って先端が飛び出してくるし、束ねた髪の先端で掌をポンポンしたりすると痛いのだけれど……
まさか、肌に刺さるとは。そんな事があったのは1回きりとはいえ、我ながら恐ろしい出来事だった。
風日は血管が細い。
だから血液検査だの点滴だのの時には何度も注射針をさしなおされたり、血管を見えやすくする為に腕をパチパチ叩かれたりする。そっちの方が血管が太いだろうと云う事で点滴の針を足にさされた事もある。
これは妹も同じ。
とある健康診断の日。
担当の看護婦さんがよほど下手だったのか、特に血管が見えにくい日というやつでもあるのか、風日の妹は何度も注射針をさされていたというのに、なかなか採血してもらえないでいた。あまり時間がかかるので隣にいた看護婦さんまでやってきて、二人がかりで妹の腕をパチパチ叩き、どーも血管がよくわからないと云って、「反対の腕でやってみよう」とそれまで叩かれて赤くなっていた腕と逆の方の腕を叩き始めた。
そしてまたグサグサと何度も注射針をさしなおす。が、やっぱりうまくいかない。
そして妹は訊かれた。
「別にどこも体の調子悪いところないよね?」
「はい」
と答える妹に看護婦さん達は云った。
「今回、血液検査なし、ということでいいよね」
おい……。
赤くなった両腕と注射針の痕、真っ白な血液検査結果を残して妹の健康診断は終わった。
「私はなんのために痛い思いをしたんだー」
と妹は憤っておりました。
旦那と誘拐保険の話をしていた。
大金持ちとか大企業の要職にある人物とかが誘拐された時に身代金を払う為にかける保険。旦那いわく
「そんな保険があるから余計に誘拐がふえるねん」
確かにそうも思う。
だけど、家族が誘拐されて、身代金が払えないせいで殺されるかもしれないと考えたら、やっぱり入っておこうって思うんじゃないの? というと
「俺はそんなんは許されへん」
「でも、あなただって私が誘拐されたら身代金払ってくれるでしょ?」
「払わへん」
「へ?!」
「そんなん絶対払わへん。誘拐犯に金払って犯罪を助長するようなマネはせん。俺は警察に通報するで」
「じゃあ、私が殺されたらどうするんよ?」
「それはしょうがないな」
こらーっ! 他人の時はともかく、ウソでもいいから
「おまえが誘拐されたら家を売り払ってでも身代金つくって絶対助けてやる」
くらいの事云ってよね。
アクションスターみたいにみずから救出に来いとは云わないからさ。ま、営利目的で私を誘拐するような犯人はいないだろうけど。
風日が小説の文章を考える為にあるキャラクターの動作を実際にやってみているところを旦那に見られた。
霞切りする時のカムイみたいに腰の後ろにさした脇差し(カムイのはちゃんとした日本刀だけどさ)を左手で逆手に持った状態で敵に向かって走っていって、相手が長剣を打ち下ろした瞬間に居合い切りみたくパッと刀を抜いてそれを受け、すかさず蹴りをくりだして……
っていうようなシーンをカッコ良く、シンプルに表現するにはどうしたらいいかと思ってスローモーションで実演(手には何ももってなかったけど)してるとこ。
きまり悪いんで、
「絵を描く時だって実際にやってみたりするでしょ?」と云うと
「やるよ。こないだのロケット団の歌も踊りながら描いてた」ときた。
テレビシリーズポケットモンスターのエンディング曲、「前向きロケット団」の原画を描いた時、絵コンテ(アニメーションの設計図のようなもの)には細かい動きの指定がなかったから、振り付けは旦那がやったらしい。最初のシーンはパラパラから始まるのだが、もちろん旦那はそんなものやった事はない。
コンテには「コナン(名探偵コナンのオープニング)みてね」と書いてあったそうだ。
で、それを見ながら自分で色々やってみてフリを決めたんだって。
「こうや」
と云って「パッパパラパラパラパラパラ パッパパラパッパー……」
と少し踊ってみせてくれた。
その後も「ラジオ体操風に」とかいう指定があるだけだったので、何度も歌を聴きながら踊りまくっていたらしい。
はっきりいって旦那は日頃ダンスだの音楽だのと無関係な生活を送っているので、その踊りはとてもぎこちなくて笑えるものだったはずだ。
風日は基本的に旦那の仕事中には仕事部屋に近づかないので(気が散るからくるなと云われている。お茶持っていったりするのは別)その様子がみられなくてちょっと残念だったりする。
余談:旦那が振り付け、もとい原画描きにつかった歌はムサシとコジローがうたっていたものではなく、名前も知らない歌手が歌っていたらしい。あと、歌詞の順番(「モリモリ……」と「ムクムク……」)が逆だったとか
風日の旦那は東京で独り暮らしをしていた。
なにせ遠いので長い間遊びに行った事はなかったのだが、ある時訪ねてみて驚いた。何に驚いたかというと、まず普通のアパートではなかった事。
住所を便りに探していくとそこは普通の一戸建てのお宅。で、そのおうちと隣の家との間の狭い通路(というか大家さんの庭の一部)をドキドキしながら奥へ入っていくと、家の裏手に物置とも廃屋ともつかない平屋建ての建物。2階建ての家の北側で一日中完全に日陰だろう事は容易に推測できる。
事前に説明は受けていたとはいえ『ホントにここでいいのかなー?』と思いつつ、ドアを開けると人一人立つのがやっとのコンクリートの土間があり、その右手にあるドアをノックすると旦那が出てきた。
さっきノックしたドアを開けた所がミニサイズの流し台のある台所で、押入のついた四畳半一間。トイレはドアの外、つまり共同トイレである。もっとも、向かいの部屋は誰かが物置代わりに借りていて人は住んでいないので専用トイレのようなものだ。水道代は家賃に含まれているし、トイレットペーパーも大家さんが補充してくれる。
そして、次にその部屋の汚さ。
多分引っ越してきた時(約8年前)につるしたまま一度も洗っていないであろうカーテン。ほこりまみれの窓、テレビ・ビデオデッキ。蛍光灯の傘の上なんてもう……
鉛筆削りの削りクズ受けを引っぱり出したらビックリ箱かと思うくらいクズが出てくるし、そこらに散らばっている色鉛筆を仕舞おうと、色鉛筆が入っていた缶を見つけてフタを開けたら煙草の吸い殻が入ってたし。
旦那は東京にでてすぐ煙草をやめていたので遊びに来た誰かが灰皿がわりにしたんだろうけど。
小銭があちこちに転がってて、畳の間なんかにつまっていたぶんも含めると両手いっぱいくらい拾えた。そうじ機に吸い込んで捨てたのが随分あるんじゃないかと思ってしまった。
そして何より驚いたのは、ガスストーブに灰がつもっていた事。薪や炭を燃やすんじゃないんだよ、ガスストーブなんだからさ。ストーブに積もったほこりをそうじしないまま使い続けてたんだね。そのうち灰でつまって壊れるか、へたすりゃ火事やガス中毒になるよ、まったく。
本人の言によるとそれでも私が遊びに来るというのでそうじしたらしいのだけど……
旦那から色々聞き出して推理した旦那のそうじ法。まず、ゴミ箱にいれずにほったらかしてあったポテトの空き袋や空き缶などをちゃんと捨てる。万年床をたたむ。部屋中に散らばっていたガラクタ(鉄アレイとか、雑誌、ビデオテープなど)を壁際に押していく。真ん中のあいた所にそうじ機をかける。といったところかな。
部屋は汚いよりきれいな方がいいに決まっているけど、自分でそうじするくらいなら汚くてもいい、と旦那は云う。
登録した覚えのないメールマガジンがきた。
それだけなら何度かあった事だ。HPでメーアドを公開している訳だから、 誰かがいたずらで登録したのかもしれないし、発行部数を水増しする為に発行者が勝手に送りつけてきたのかもしれない。だけど、この間きたメルマガを解除しようとして、登録解除用のURLにいってみて驚いた。
郵便番号にはじまって、住所、電話番号、携帯番号、FAX番号、メーアド、氏名(ふりがなつき)、までを記入するようになっている。
しかもメールを利用した送信フォームだ。
これって、メルマガを送りつける事が目的じゃなくて、送られてきたメルマガを解除しようとした人の個人情報を集めるのが目的なんじゃないの?
メーアドだけを書いて2度と送ってくるなと云ってやろうかとも思ったけど、放っておいてもこないかもしれないし、とりあえず、同じ所からもう一回くるまでは無視する事にした。
風日の旦那が一人暮らしをしていた時の事。
床中に散らばった雑誌やビデオテープ、空き缶、生活用品などなどをよけながら、四畳半一間という狭い部屋の中を歩き回っているとなんとなく変な臭いがする。
おかしいな、なんの臭いだろ?
と思い、鼻をクンクンいわせて臭いの元をたどろうとしたがよくわからない。が、なにげに足の裏を見た旦那は思わず叫びかけた。
なんと靴下にペチャンコになったゴキブリがはりついているではないか!
臭いの元はそのゴキブリの体液だったのだ。
しかも、よく見ると踏んづけてから少し歩いたらしく、その死体からは羽や足がもげてしまっていた。靴下を脱ぎ捨てた旦那は床を埋め尽くしたガラクタの間からバラバラ死体を回収しなければならなかった。
しかし、ゴキの死体をばらまきながら歩いても気付かない部屋って、一体……
ある時、近所の人から電話がかかってきた。
「アンタんとこ、こないだ自転車盗まれた云うてたやろ?○○公園にアンタとこの名前と住所書いた自転車が乗り捨ててあったで」と。
たまたま家にいた父がその結構遠い公園まで歩いていって、くだんの自転車に乗って帰ってきた。
その日の夕方。
学校から帰った弟が暗い顔をして云った。
「自転車盗られた」
ええっ! 一台返ってきたと思ったとたんにまた一台盗られたのか? と思ったのだけど……
なんと父が公園まで取りに行った自転車はその朝、弟が乗って行った自転車だった。
我が家から弟が通っていた学校まで歩くと40分近くかかる。家と駅、バス停、学校との位置関係や路線の関係で、電車かバスを使っても20分、バスを待ったりするとそれ以上。自転車をとばせば15分。
しかし、高校に自転車置き場がない為、自転車通学は全面的に禁止されていた。
その朝、寝坊した弟は通常の手段を使っていたんでは遅刻すると思い、通学カバンを積んで自転車に飛び乗った。
が、さすがに自転車で学校まで乗りつける訳にはいかず、学校近くの公園に隠して登校した、という。
偶然、近所の人がその弟が隠した自転車を見つけて親切にも電話をくれ、何も知らない父が苦労して持って返り、放課後、自転車がなくなっていたので弟がうなだれて帰ってきた、と。
おそまつ。
またもや補導されそうになったとさ。
「人の目に一体何才に見えるとゆーんだ!」
と憤慨してたけど、あたしゃあ仕方ないと思うよ。
日曜の昼日中に生田さん(神社)の境内でひなたぼっこしながら飯食った後、ゲームボーイアドバンスでスパロボAに興じている36歳の女なんて、やっぱ世の中的にはおらんだろう?
しかもかみつくさんだ。ノーメイクにTシャツGパン、コットンシャツにスニーカーな訳だよ。
ってなメールが硝からきた。
かみつくは10年くらい前(それでも20代後半)にも同じような状況で煙草吸ってて補導されかけたんだけど……全然成長してない?
風日のうちでは妙な場所にガムテープが貼ってある。
ひとつめは布団。
羽毛布団って軽くてあったかくてすごくいいんだけど、針でついたような小さな穴からでも羽毛がとびだしてくるんで、もし破けても針で縫って繕う訳にいかない。それなのにうちの猫どもがあっちこっちに爪で小さな穴をあけてくれているものだからベタベタとガムテープで応急修理してあったりするわけ。
ぼちぼち洗って外側を取り替えてもいいかなとも思うんだけど、またすぐ穴をあけられるだろうし、なにせ随分お金がかかる事なのでもうちょっともうちょっとと先延ばしにしている。
猫を飼うとわかっていたら羽毛布団なんか買わなかったんだけど、せっかく大枚はたいて買ったんだし、やっぱり快適なので普通の布団に買い換えたりしないで、ブツブツいいながら布団にガムテープを貼り続けるんだろうな。
そしてふたつめ。
それはリビングのテレビ。
テレビをのせているチェストの後ろを掃除しようとしてうっかりテレビを床に落としてしまった。その時テレビの周りをおおっているプラスチック部分にひびがはいった。そのせいで接触が悪くなってスイッチがはいらなくなったのだけど、前後を手ではさんでグッとおさえるとちゃんとつく。
で、テレビの横の方にガムテープをはって押さえているという訳だ。
あれから3年近い。時々気合いをいれてやんなきゃならないけど、ひび割れテレビはちゃんと機能している。
昔住んでいた家では天井板の隙間から埃がふってくるのを防ぐ為にガムテープが活躍してくれたし、すきま風を防ぐのに使った事もある。
ガムテープのおかげで随分助かっている風日だった。
