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今夜の番組チェック
おかしなやつら 3
風日が3才から4才にかけての時、「佐武と市 捕物控」というアニメ番組があった。
夜9時からの放送という当時としては画期的な大人向けアニメーションだ。その頃風日は夜8時には寝かしつけられていたので(今どきのよいっぱりのじゃりん子とは違って早寝早起きの良い子だったのだ)当然そんな番組の存在を知っていた訳はないのだが……
なにか親の都合で夜更かしした時に、たまたまその番組を観てしまったらしい。そして、思いっきり気に入ってしまったようなのだ。
で、どーしても「佐武と市……」だけは観たいとダダをこね、親を折れさせて「佐武市」の放送日だけはひとつ違いの弟といっしょに一旦8時に寝るのだが、私だけ9時に起こしてもらっていた。
だが、あまりよく寝ているからと母が私を起こしてくれなかった夜があった。
その翌朝。
私は「どーして起こしてくれなかった!」と泣いて怒ったという。あまりの怒りように、それ以来母が私を起こさない夜はなくなった。
風日の記憶にはない話だが、その頃からそんなにアニメにのめり込んでいたのかと、自分であきれるやら納得するやら。
しかし、本当に「佐武市」は3歳児が観るような番組じゃあないんだけどな。
あれは高校のリーダーの授業中。
教科書を読み上げながら教室内をウロウロしていたH先生が突然云った。
「○○、pine tree とはなんや?」
○○というのは硝(ガラ)の名字。その時、硝はちゃんと授業を聞かずにボーッとしていたらしい。何? という表情からハッと顔色が変わり、一瞬の間の後、ガタッと音を立てて立ち上がった。どうやら内容は理解していなくても先生の科白だけは耳に残っていたようだ。
授業中考え事をしていて、よく同じような事をやる風日には、硝が頭の中でその言葉を再生したらしいのがわかった。そして、硝ははっきりした声でこう云った。
「パイナップルの木ィ!」
一同爆笑!
おい、ソレってお約束じゃん。売れないコメディアンか、アンタは?
そして、その後の休み時間。
「アホー」と云ってやろうと思って硝の机に行った私は、そこにひろげられていたリーダーの教科書に書き込みがあるのに気付いた。今日の授業でやっていたところだ。新出単語やイディオムにアンダーラインがひいてあり、余白にその意味が書いてある。
「なんや、アンタ予習しとったんやん」
云いながらpine treeの部分を見ると……
ちゃんと「松の木」と書いてあった。
「これって、さっき書いたん?」
「違う、家で書いた……」
大ボケーっ!
そう、硝はきちんと予習をしていたにも関わらず、ちゃんと授業を聞いていなかった事をごまかす事に必死になって、とにかく早く答えなきゃとあせるあまり、おバカな事を口走ってしまったのだった。
お正月という事で帰省。
Episode9(カエルの子はカエル)などで、ネタを提供してくれたのこに会った。色々と「おいおい……」と云いたくなるような話を聞かせてくれたけど、その中のひとつが
「いつ、どこで、めぼしいガチャポンをみつけても、目当てのグッズをゲットできるようにいつも1万円分の100円玉を持ち歩いていた」という話。
その他、同じマンガの本を3冊持っている、とか。
なんでかっていうと、そのシリーズはすべてのこ用と娘用に2冊ずつ持っているのだけど、その巻は本屋に予約した後、コンビニで発売日前日に売られているのをみつけて、ついフラフラと買ってしまった、という。
小学生二人の母親でありながら、親からお年玉をもらった(子供達に、じゃなくて本人が)という、うらやましい話とあいまって、お金の苦労を知らずに育ったお嬢さんの印象がぬぐえない。
でも、のこのお母さんは今でもパートにでているし、そんなお金持ちじゃないはずなんだけどねェ。
風日の旦那が独身の時、会社の傍のスーパーであんパンを買った。
ちっちゃいサイズのが6コはいったやつ。で、ムシャムシャと一気に食べてしまって空き袋を捨てようとして、気付いた。
なんと、さっきあんこが入っていると思って食べたパンの袋に『チョコレートパン』と書いてあるではないか!
あ、間違ってチョコレートパンを買ってきてたのか……。じゃない! 6コも食べておいて自分が食べたのがあんパンかチョコパンかもわからんのか、アンタはっ!
「だって、どっちも甘いし、あんパンやと思っとったんやもん」
って、ねェ……
また別の日。
会社のみんなで店屋物をとった。カツ丼を頼んだ旦那はいち早く自分のどんぶりを抱え込み、自他共に認める速さでたいらげた。
と、仕事にきりがついてから自分の注文したものを取りに来た女の子が声をあげる。
「私の玉子丼がない!」
どうやら、旦那がカツ丼と間違えて彼女の玉子丼を食べてしまったらしい。よく考えたらカツが入っていなかったような気がする、と云う。
その場は玉子丼の値段で彼女にカツ丼を食べてもらう事でおさまったけれど、玉子丼のつもりでカツ丼を食べてしまっていたら、
「どーしてもカツが食べたかったのに!」
なんて云われて、代金を払っただけでは許してもらえなかったかもしれない。
カツ丼と思って食べれば玉子丼もカツ丼に思える、という経済的というか、信じられない出来事のお話。
とーりょー(前にやったオリジナルのラジオドラマで頭領と呼ばれる役をやったので、そう呼ばれている。別に大工の棟梁ではない)のお父さんは塾の講師をしていた。
その塾では子供を教えるだけでなく、親の個別面談(ようするに相談会)なんかもやっている。で、ある生徒の母親がやってきて、こう切り出した。
「先生、うちの子、国語の成績が悪いんですけど、(成績をあげる)いい方法ありませんか?」
とーりょーの父君はその母親に訊き返した。
「お宅のお子さん、本読まれますか?」と。
ま、大方の予想通り、返ってきた答えは
「いえ、全然読まないんです」
で、子供の国語の成績をあげる必殺技を訊きにきた母親がもらった答えは
「本読まないんですか。それじゃあ、しょうがないですね」だった。
おい……
そりゃ国語の成績をあげる最良の方法は本をたくさん読む事なのは確かだと思う。に、しても……
生徒の親は子供の成績をなんとかして欲しくて決して安くはない授業料を払っているっていうのに、もうちょっと云い方がありそうなもんなのに。
樹似が友人とスキーに行く約束をした。
その時樹似と友人は関西と関東に住んでいたので現地の駅で落ち合う事にし、樹似は一人で列車に乗った。そして、車窓に映る雪景色など堪能し、ルンルンと駅に降り立った。
が、待ち合わせている友人がいない。
「私の方が早かったかー」
などと思いながらふと駅名を見ると……
駅名が違う!
え? 間違えた?!
あわてて確認してみると、友人と待ち合わせている駅はひとつ手前だった。乗り越してしまったのだ。
以前にもこのコーナーで樹似が本を読んでいて、うっかり乗り過ごし、逆向きの列車に乗った後、もう一回乗り越して、再度逆(つまり最初に向かっていた方向)行きの列車に乗り直した、というEpisodeを紹介したが、一人旅でやるか? しかも初めて行く場所で。ほんっと緊張感のない奴。
「なんで、そんな事を?」
という風日の問いに返ってきた樹似の答えは
「ついつられて」
???
確かに彼女はエレベーターに乗っていて誰かが降りると、目的の階でなくともつられて降りそうになる(もしくは降りてしまう)事が多い。現に風日もその現場を目撃した事があるし。
BUT!
ついつられて、降りるつもりの駅より手前で降りてしまった、というのならわかる。つられて乗り過ごしたってのはどーいうワケ?
列車に乗った時、スキー場に行くらしい乗客がたくさん乗っていた。で、
「やった! この人達といっしょにいれば大丈夫や」
と思ってしまったらしい。
ところが、彼女が行く予定のスキー場はそれほどメジャーではなく、友人と待ち合わせている駅で降りる人が少なかった。で、駅名も確かめずにのほほんと列車に乗り続け、スキー客が多数降りたひとつ後ろの駅に降り立った、という訳だ。
地方の事で列車の本数が少なく、樹似は友人を1時間以上も待たせたという。まったく……!
「オレんとこにもきた!」
メールチェックを終えてうれしそうに口元をにやつかせる旦那。
何がきたのかと思ったら先日Episode98あぶないメールで書いたのと同じメールだった。風日がとても不愉快な思いをさせられたやつ。それを旦那は少額の宝くじが当たったみたいというか、知り合いにいたずらをしようと画策中というか、
「ま、たいしたことじゃないんだけどね。ちょっと、面白いことがあったんだよ」
っていう顔つきでながめている。
変な奴。こないだ私のパソコン覗き込んで同じ文面読んでたくせにさ。ウィルスらしい添付ファイルが送られてきた時もそう。
「とうとう来た!」
とか云って怖い怖いを連発しつつ、なかなか削除しようとしない。しまいに「ちょっと、とっとこかな」とか云って、ファイルだけマイドキュメントかどこかに移動させる始末。
「間違えて開けてしもてもしらんよー」
と云うと「これなら大丈夫やろ」と『ウィルス』をいう名前のフォルダを作って入れてしまった。
プログラムを解析するとかできる人ならまだわかるけど、プログラムのプの字もわからん人間がそんなもんとっといてどないすんねん?
「うっかり感染させたら思いっきり笑ってやる」
なんて云ってるうちに、やっぱり危うく開けそうになったらしく、削除してたけど。
樹似は並んでいた。
周りを見回すと人、人、人……広い空間に見渡す限り人ばかり。男・女・年寄り・子供。そしてゆっくり、ゆっくりと進んでいく、先には大きな建物。 それは普通のビルではなく博覧会用のパビリオンのような感じだった。
どこから聞こえてくるのか頭の上に響き渡っているアナウンスを聞いてみると、どうやらこの騒ぎの実況中継らしい。
「……凄い人です! なんとももの凄い! 日本中の人間がこの会場に集まってきたようです! さあ、いよいよです。いよいよ公開されます! 世界初公開! 超最新式、全世界初の最新式……」
ここまで書けば、まあ、これが樹似がみた夢の話だって事はお察しの事と思う。では、夢の中で樹似が並んで見ようとしていた最新式のものとは?
トイレ、である。
そう、彼女は最新式のトイレに入る為に並んでいたのだ。
「アンタ、トイレに行きたかったんか?」
という風日の問に
「別に起きてすぐトイレに行った訳やないから、違うと思うんやけど」
「で、どんなんやったん? その最新式のトイレって」
「それがな……」
さあ、次や、いよいよその最新式トイレを目のあたりにできる、というところで目が覚めたという。
おい……
なんやそれ。
「多分私の想像力ではその最新式のトイレってやつを考え出されへんかったんやろ」
とは樹似の言。
でも、その夢の話を樹似の旦那にしたらちょっと面白い意見が……
「きっとドアを開けると青い空の下に見渡す限りの大草原がひろがってて、その真ん中で野グ○するんや。気持ちいいぞ」
うーん、風の渡る草原で……
と、云うことはその最新式トイレってどこでもドアだったのかな?
以前紹介したEpisodeでもおわかりと思うが、憬の旦那はすごい怖がり。お化け屋敷も大嫌い。なのだけど、結婚するずっと前、憬はもうひとりの友人と嫌がる旦那を強引にお化け屋敷に連れ込もうとした。
その時の旦那の嫌がり方は尋常ではなく、
「嫌やー!嫌やー!」
と叫んで、ヤンキー座り。周囲の目が集まってちょっと恥ずかしかったと憬はいう。
しかし、それくらいであきらめる憬ではなかった。憬と友人はそれぞれに座り込んだままの旦那の腕をひっつかんでズルズルと地面を引きずって、お化け屋敷へ。
その様子を見ていた入り口の兄ちゃんが旦那を気の毒に思ったのか、ここで客を逃してなるものかと思ったのか
「そんなに怖くないですから……」
と、お化け屋敷の呼び込みにあるまじき発言をする始末。怖くないお化け屋敷なんて、出てから「金返せ」って云いたくなるじゃない。
薄暗い通路を歩き出すと、憬の旦那は憬の両肩を握りしめて、ピッタリと背中にへばりついた。そして、物陰からニュッと……
「うわあァっ!」
驚きのあまり飛びすさり、着地に失敗してあおむけにひっくり返る旦那。幽霊もこれくらい驚いてもらえれば本望だろう。
が、入り口の兄ちゃんの言葉通り、そのお化け屋敷はとってもちゃちだった。憬や友人にとってはちっとも怖くなかったのだ。
そんな訳でしばらくするとさすがの怖がり旦那も雰囲気に慣れてきたらしく、段々大胆になってきた。
一旦開き直るとさっきまでのビクビクの反動なのかなんなのか、現れたお化けの衣装をつかんで、ひっこめなくした上で
「バイト料なんぼ?」
なんて訊いている。おい……
嫌がるにしても、楽しむにしても、騒がしくて迷惑な客だった。
うちの旦那は「宇宙戦艦ヤマト」の大ファン。
他のマンガやアニメには目もくれず、ひたすらヤマト、ヤマト。グッズもたくさん持っている。カード(ミニカードとかコレクターカードとか、よくわからないけどいろんな種類があるらしい)だのポスターだの、の他、LD持ってるのにDVDを買ったり、レコードあるのにCD買ったり……
そうやって集めているものの中にプレステ用やワンダースワン用のゲームソフト(もちろんヤマトの)がある。だけど、うちにはプレステもワンダースワンもない。第一旦那はゲームは好きじゃないのだ。
それでも、「ヤマト」だからという理由で買ってしまう。
少し前にも「タイピング波動砲」というソフトを買ったのだけど、こないだその「タイピング波動砲」と「タイピングワープ」とCG集の3本のソフトをセットで買うと先着200名にオリジナルマウスパッド4枚組がもらえる、というのにつられて、それも買っていた。
だから我が家には「タイピング波動砲」が2枚ある。
まあ、知り合いのヤマトコレクターの中にはもっと凄い人がいるので、これくらいの熱のあげようでよかったと思わない事もないけれど、旦那がアホにみえるのは私だけじゃないだろう。
かみつくといっしょに吉野へ花見に行く事になった。
ちょうどかみつくはその前日東京で用があったので、少しでも交通費を浮かせるため、神戸へ帰らずに直接現地に赴く事に。
当日、吉野の駅で待ち合わせしていた風日は現れたかみつくを見て驚いた。1週間くらい山にこもるんじゃないかというくらい大きなリュックを背負っていたのだ。1泊2日の旅に持って来るには大きすぎる。
「一体何がはいっとん?」
という問に東京であれこれ買った品物が入っているとの事。吉野で必要のないものは宅配便で送ればよさそうなものだが、送料がもったいないという。
ま、いっか。私が持って歩く訳じゃなし、と山道を登り始める。花見シーズンという事で道端に色々な屋台が並んでいた。
「なんや、ねーちゃん。闇市へ買いだしかいな」
かみつくの荷物を見てそう声をかけてきたテキヤのおっちゃんがいた。まさしく、ピッタリな表現だ。
まだチェックインできる時間ではなかったのだけど、かみつくの荷物が重すぎるので一旦ユースへ。リュックを預かってもらってから改めて花見に出かけた。
そして夜。
荷物を整理し始めたかみつくの前にルームメイト達が集まってきた。
リュックの中からでてきたのはフェイジョン豆というブラジルの豆の缶詰やインドあたりの産らしいあやしげな香辛料をはじめとした訳のわからない食料品の数々。そう、かみつくはちょっと変わった食い道楽で東京にでると大抵そこらへんで買えないような輸入食品を扱っている店で食材を仕入れてくる。
まさに「闇市に買いだし」状態。
いっしょに南欧を旅行した時も帰りのリュックの中は食料品で破裂しそうだったもんね。